光免疫療法の費用を調べると、ひと月10万円程度と書かれたページと、数百万円と書かれたページの両方が出てきます。どちらも誤りではありません。
保険が適用される光免疫療法と、自由診療として行われる光免疫療法が別々に存在しており、費用の意味そのものが違うためです。この記事では、その2つを分けたうえで、自分の場合の総額をどう組み立てるか、どの制度が使えてどの制度が使えないのかを整理していきます。
光免疫療法の費用は2種類に分けて考える

費用の話に入る前に、どちらの治療の話なのかをはっきりさせる必要があります。日本で光免疫療法と呼ばれているものには、保険が適用されるアルミノックス治療と、当院を含むクリニックが自由診療として行う光免疫療法の2つがあるためです。
保険が適用される側は、公的医療保険の枠内で自己負担が原則3割となり、高額療養費制度も使えます。一方の自由診療は、公的医療保険の枠外にあり、費用は全額自己負担となります。
同じ名前でも別の治療ですので、金額だけを並べて比べても意味がありません。読んでいるページがどちらの話なのかを見分ける目印は、薬剤名がアキャルックスかどうかと、対象が頭頸部がんに限られているかどうかの2点です。
保険が適用される光免疫療法の費用
保険が使えるのは、アキャルックスを用いるアルミノックス治療で、対象は「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌」に限られています。2020年9月に国内で承認され、翌2021年から保険診療として実施されています。
この場合、窓口での負担は年齢や所得に応じた割合になり、さらに高額療養費制度が使えます。高額療養費制度とは、ひと月に窓口で支払った額が上限額を超えたとき、超えた分が支給される公的な仕組みです。
関西医科大学附属病院の案内では、高額療養費制度を利用した場合のひと月の患者負担額は10万円程度と見込まれると説明されています。ただし上限額は年齢と所得区分によって異なり、入院期間によっても変わるため、実際の金額は受診先にご確認ください。
なお、この治療は入院で行われるため、食事代やベッド代の差額などが別途かかります。これらは高額療養費制度の対象に含まれません。
自由診療の光免疫療法の費用の考え方
自由診療の光免疫療法は全額自己負担となり、費用は医療機関ごとに設定されています。1回あたり数十万円から、回数をまとめた場合は数百万円という幅で語られることが多く、一律の相場というものはありません。
金額が大きくなる理由は、構造にあります。使用する薬剤や照射のための機器が公的医療保険の価格体系に載っておらず、診察料も検査料もすべて自己負担でまかなわれるためです。
もう1つ知っておいていただきたいのが、保険診療と自由診療を同じ治療のなかで組み合わせることは、原則として認められていないという点です。当院の治療は、通院先の病院で受けている保険診療とは切り離した形で、別に費用が発生します。
当院の料金

当院は自由診療のみを行っており、保険診療は受けられません。料金はすべて税込で、次のとおりです。
- がんカウンセリング 60分(初診料を含む) 2万2千円
- 光免疫療法 1回 66万円 / 3回 181万5千円 / 6回 330万円
- 光免疫療法2.5(独自の免疫サポートを加えた形) 1回 93万5千円 / 3回 258万5千円 / 6回 462万円
- がんリスクCTC検査(初診料を含む) 7万7千円
回数をまとめたセットは、1回ずつ受ける場合の合計より低い設定になっています。入院施設を設けておらず外来通院で治療を行うため、入院費はかかりません。
お支払いについては、通常の診療や検査では各種クレジットカード決済をご利用いただけます。ただし光免疫療法のお支払いのみ、現金または銀行振込に限らせていただいております。
料金表はこちら総額の見積もり方

総額は「1回あたりの金額」ではなく「何回受けるか」から逆算していただくのが現実的です。当院では回数の目安を状況ごとに設けており、そこに料金を当てはめれば、おおよその見当がつきます。
寛解の状態で経過観察をされている方であれば、年1回程度が目安になります。手術の予定がある方は術前2回と術後1回の計3回、腫瘍が取り切れていない場合は6回という考え方です。
たとえば手術の予定がある方が3回のセットを選ばれた場合、治療費は181万5千円となります。ここに初回のがんカウンセリング2万2千円が加わり、検査を追加される場合はその費用が上乗せされる形です。
効果の評価は6回を1セットとして、そのセットが終わってから行います。1回で判断する設計ではないため、最初から複数回を前提に予算を組んでいただくほうが安全です。
当院では治療を始める前に、治療プランと回数、金額をお示ししています。ご納得いただいたうえでお手続きに進んでいただく流れですので、金額が後から膨らむことはありません。
治療費や治療プランのご相談はこちらから使える制度と使えない制度

自由診療で使える可能性がある制度と、使えないことがはっきりしている制度を分けて把握しておくと、資金の計画が立てやすくなります。
使えない制度
高額療養費制度は公的医療保険の枠内で支払った額を対象とする仕組みであり、自由診療の費用には使えません。保険診療と自由診療を同じ月に受けたとしても、自由診療の分が合算されることはないのです。
もう1つ、当院の治療で使用する未承認医薬品等については、次の5点をご確認ください。
- 医薬品医療機器等法上の承認を得ていないもの
- 日本では医師の責任において使用が可能なもの
- 国内承認医薬品等で同一の性能を持つ他の医薬品は現在なし
- 諸外国における安全性等に係る情報は現在なし
- 自由診療(全額自己負担)であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外
医薬品副作用被害救済制度は、適正に使用された医薬品の副作用によって重い健康被害が生じた場合に給付を行う公的な制度です。未承認医薬品を用いる自由診療は、この救済の対象になりません。
使える可能性がある制度
1つ目は医療費控除です。その年に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告によって所得税の負担が軽くなる仕組みで、自由診療であっても治療のために必要な費用は対象になり得ます。ただし個別の判断は税務署が行いますので、領収書を保管したうえでご相談ください。
2つ目は民間のがん保険です。保険会社や商品によっては、自由診療を対象とする特約が用意されている場合があります。給付の可否はご契約内容によりますので、加入されている保険会社へ直接ご確認ください。
当院では診療記録や検査データのコピーを発行しております。他院での治療継続や、保険の申請にもお使いいただけるはずです。
費用だけで判断しないための確認事項
金額を比べる前に、その治療で何が得られて何が得られないのかを確認していただきたいと考えています。費用の大小だけでは、受けるかどうかの判断材料として不足しているためです。
まず、効果のあらわれ方には個人差があり、自由診療の光免疫療法については長期にわたるエビデンスがまだ十分に蓄積されていません。当院も、治療効果を数値でお約束することはいたしません。
副作用についても、稀ではありますが、皮下血腫、悪心や嘔気、発熱、血管痛が生じることがあります。アレルギー反応やアナフィラキシーショックの可能性も否定できず、光線過敏症の報告もあることをご承知おきください。
対象にならないがんもあり、脳腫瘍と血液腫瘍には対応できません。また当院の治療は標準治療の代わりではなく、手術や放射線療法、化学療法、免疫チェックポイント阻害薬と併用していただける選択肢として位置づけています。
当院の院長の見解
当院の院長は、大学病院で子どものがん治療を専門としてきた医師です。ご相談の場では、まず何を目的に治療を考えておられるのかを伺い、そのうえで回数と金額をお示しするようにしております。
金額だけを先に決めてしまうと、治療の目的と回数が合わなくなることがあります。カウンセリングの時間を設けているのは、そのずれを先に解消しておくためです。
がん光免疫療法の治療内容はこちらよくある質問
光免疫療法の費用について、当院に多く寄せられるご質問をまとめました。
光免疫療法に保険は使えますか
アキャルックスを用いるアルミノックス治療であれば保険が適用され、対象は切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部がんに限られます。当院を含む自由診療の光免疫療法は保険の対象外です。
光免疫療法の費用はいくらですか
当院の場合、光免疫療法は1回66万円、3回181万5千円、6回330万円(いずれも税込)です。独自の免疫サポートを加えた形は別の設定になっており、料金表でご確認いただけます。
高額療養費制度は使えますか
自由診療には使えません。高額療養費制度は公的医療保険で支払った額を対象とする制度で、保険適用のアルミノックス治療を受ける場合には利用できます。
医療費控除の対象になりますか
治療のために必要な費用であれば対象になり得ますが、個別の判断は税務署が行います。領収書を保管しておき、確定申告の前にお住まいの地域の税務署へご確認ください。
支払いにクレジットカードは使えますか
通常の診療や検査では各種クレジットカードをご利用いただけます。ただし光免疫療法のお支払いのみ、現金または銀行振込です。
治療前に見積もりはもらえますか
治療を始める前に、治療プランと回数、金額をお示ししております。ご納得いただいたうえでお手続きに進んでいただく流れです。
何回受けることになりますか
状況によって異なります。寛解状態で経過観察中であれば年1回程度、手術の予定があれば3回、腫瘍が取り切れていない場合は6回が目安になります。効果の評価は、6回1セットが終了した後です。
東京がん検査・治療ラボラトリーへのご相談
当院は渋谷駅から徒歩約5分の場所にあり、年中無休で診療しております。紹介状は不要です。他院で治療を受けておられる方のご相談も承っています。
費用を理由に急いでご判断いただく必要はありません。何にいくらかかるのかを確認したうえで、医学博士である院長と一緒に考えていければと思います。
東京がん検査・治療ラボラトリーのWEB予約はこちらから参考文献
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
- 国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「医薬品副作用被害救済制度」 https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0001.html
- 国立がん研究センター東病院「光免疫療法について」 https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/endoscopy/060/index.html
- 関西医科大学附属病院 光免疫療法センター https://hp.kmu.ac.jp/treatment/departments/photoimmunotherapy/
- 厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」 https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000644622.pdf



















